researchmap にもほぼ同じ情報があります.
私は京都大学工学部情報学科数理工学コース(旧数理工学科)で応用数学(数学,物理,OR,制御理論の4分野)を学び,その後同大学院情報学研究科で離散可積分系に関する研究を行い,博士の学位を取得しました.既成の枠にとらわれない,(良い意味で)こだわりを持たないということをモットーに,数学を用いた諸問題の解決に広く貢献していきたいと考えています.また,計算機が好きなので,計算科学的な研究にも取り組めればと思っています.研究面以外でもソフトウェア等になんらかの形で貢献していきたいです.
京大の辻本諭先生のご指導の下,離散可積分系・超離散可積分系を直交関数系の観点から研究しました.所属研究室は中村佳正先生の主宰で,「数学を深く考えた結果として世の中の役に立つ」という応用数学の精神を学ぶとともに,物的・人的に恵まれた環境で様々な経験をさせていただきました.主な成果としては,運搬車付き箱玉系と固有値計算アルゴリズム(dqds法)の対応関係の解明,RII 格子と呼ばれる離散可積分系を用いた一般化固有値計算アルゴリズムの提案などが挙げられます.
この頃の研究については共同でレビューを書いたので,こちらもご覧下さい.
学位取得後は理研の望月敦史さんに理論生物学研究室のポスドク研究員として拾っていただき,数理生物学の手ほどきを受け,短い間でしたが CREST のプロジェクト研究に携わりました(のちに共同研究者である京都大学の佐藤ゆたかさんのグループの尽力のおかげで,無事に論文の形になりました).その後,関西学院大学で任期制(最長4年間)の助教として採用され,基礎数学や計算機関連の授業を担当しつつ研究を進めました.番号付き・運搬車付き箱玉系の新しい一般化や,これに関係した帯行列固有値計算アルゴリズムの開発などに取り組みました.
2019年からは京都府北部にある福知山公立大学で情報学部の設置に携わることになりました.「地域のための大学」ということで,全く不慣れなことも多そうな予感がしていますが,これまでの経験と絡めて新しいことができれば嬉しいと思っています.都会から離れた静かな環境で,これまでの研究の発展にも取り組みたいです.
研究者番号:80732982
日時が未来になっているものは予定です(薄く表示).○は登壇者.