箱玉系

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number of boxes (3–300): fps (1–60): effect:

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操作方法

解説

箱玉系と呼ばれるセル・オートマトンのデモです.箱玉系は1990年に高橋と薩摩によって提案された,名前通り箱と玉で構成される系で,箱に入った玉を以下のルールで動かしていきます:

ただし,このデモでは右端の箱の右隣には左端の箱があると考えます(周期境界条件).上から見たときに箱が円状に並んでいる状況を思い浮かべてください.例えば1ステップは次の図のようになります.

例

様々な初期配置に対してどのように箱玉系が振る舞うかを観察してみて下さい.おそらく以下のことに気が付くと思います.

この「追い越しの前後でかたまりが壊れず,位相がずれる」という現象はソリトン(浅水波)の追い越しでも観察できる現象です(KdV 方程式の数値シミュレーションを参照).このことから,箱玉系はソリトン系を0(=空き箱)と1(=玉の入った箱)の2値で実現したものではないかと考えることができます.

実は,1996年に時弘らによって,あるソリトン系に対して「超離散化」と呼ばれる極限手続きを適用することで,箱玉系の時間発展方程式および解が導出できることが示されました(ただし境界条件は上と異なる.参考文献を参照).こうして,箱玉系はソリトン系であるというお墨付きが得られたわけです.現在ではこの箱玉系を含む「超離散可積分系」の研究が活発に行われています.興味のある方は,和書を2つ参考文献に挙げておきますので読んでみて下さい.

参考文献

ソースコード